奄美ASIVI 2002-2daysライブツアーレポート【平田輝 編】
2002年7月5日(金)2日目
9時に目が覚める。今日の予報はくもり時々雨だったけど時々太陽の光が顔をだして、まだ寝ててもいいのに嬉しくて起きてしまう。
みんな、それぞれ自由行動なので、僕はひとり、市内のホテルで近いことをいいことに両親に会ってきた。で、13時すぎに同級生しげやんの「まるさんラーメン」へ。3月に食ったここの豚骨としょうゆをたしたスープのラーメンがむちゃくちゃうまかったのに、豚骨一本に絞ったそうでなくなっていた。ちょっとがっかり。でもそれでもうまいよ。おつまみチャーシューはこれはやっぱしうまかった!メニューにはないけど、行く機会があればぜひ注文してごらん。
それから、mayumiと合流、CDをおいてもらっている「サウンズパル」や「セントラル楽器」へ挨拶周り。サウンズパルの高良さんは、古澤さんと20年ぶりに会えるのをかなり楽しみにされていたようで、息子の俊礼くんいわく「2週間前からそわそわしてましたよ」と。古澤さんを奄美に連れて帰ろう、と考えた僕らにとって、この一言はますます嬉しくさせたしライブへの意欲も湧いた。
3時30分。リハーサル開始。「ね」と平田輝ソロプロジェクトが一緒にやれるレイアウトにしなきゃいけないために、もうゴタゴタ。ASIVIの憲吾には迷惑をかけた。本当に申し訳ない、せめてセッティング図を作ってくるんでした!(←普通ならかならず作ってくるんだけど、ごめんなさい)
しかし、ドラム2台、パーカッション2台に、ベースもいきなり一人増えて、ギター&バラフォン、SAX、ボーカルとASIVIでこれまでの最高の人数だったらしい。そりゃ、パニクるよね、重ね重ね、ASIVIのスタッフに、セントラルの生くん、ごめんなさい!それでも、なんとか収拾をつけてこちらのリクエストに全部応えてくれた。本当にありがとう。
4時30分をまわってようやく「ね」のリハーサルが開始。約30分で終了し、平田輝ソロプロジェクトへ。2回しか練習していないために、古澤さんが叩いたパターンを忘れていて四苦八苦(苦笑)やっているうちに違うパターンを叩いてこっちも面白いと、試行錯誤する。それをmayumiがフォローしつつ、6時30分すぎに終了。飯を食いに行きましょう!とみんなを誘うが、古澤さん「オレはいい。ちょっと練習する!」この姿勢に、ぼくはちょっと感動した。大御所なら、「ま、いいか。どうにかなるか」と思うかっと思いきや、納得いかないから嫌なんだね。あとの呑み会の話になるけど、自分の叩く音やリズムだけじゃなくて、全体を見渡して「あきらの唄をもっと出したい」といってくれる。これはプロとして、みんなが、持っている感情ではないんだ、実は。唄を大事にしてくれる古澤さんや小倉さんは、やっぱ魂が同じなんだなあ、とつくづく思う。今回もいいメンバーに恵まれて幸せだ。
といいながら、他のメンバーに気を使うところもありmayumiにまかせて、外山さん、藤ノ木みかさん、しのぶさん(なんと奄美にたまたま来ていた古澤さん一行の知り合いのベーシスト)と4人でぼくの同級生の道弘の居酒屋「まねきや」へ。シマ料理は少ないけど、ここもうまいよ。4人で短い時間だけどワイワイと、頼んだ料理をつつきあいながら満足満足。お店に立ち寄ったライブにくるはずの友人たちが「おい!大丈夫?始まるんじゃないの?」と心配される(笑)確かに!本番直前の8時前まで落ち着いていたみたいだ(笑)
8時。ASIVIへ戻る。もうたくさんのお客さんがきている。楽屋へ急ぐ。古澤さんのご機嫌は、というと、、、焼酎片手にニコニコしている(笑)そうなんだ、大丈夫だ。古澤さんは、本当に子供のように、自分の気持ちをだしてくれるから面白い。こういうおじいさんになりたい(まだ古澤さんは、56だからおじいちゃんじゃないか(笑))と思わせる人だ。ライブは危険をはらんでいるほうが楽しく面白い。何をしでかすかわからないほうがいい。そして、お客さんとバンドメンバーの呼吸があえばあうほど相乗効果がうまれ、いい雰囲気になり、今まで誰も見たこともない効果を生み出す。僕が見る古澤さんのライブはいつもそうだった。ライブは成功すると思った。
「ね。」の前に、ぼくとmayumiが「ね。」をひとりづつ紹介して、8時20分「ね。」のステージスタート。お客さんがとまどうのがわかった。なんじゃこりゃ、と。どういう風に見ればいいのか、どういう風に聴けばいいのか、僕も最初わからなかったからその雰囲気がわかる。でも、音楽はこういうものだ。最近の決まりきった音楽に閉ざされているから難しく感じる。でも古澤さんは言葉からリズムを作り出していく人だからそのツボをおさえれば、多分、、疑問は氷解すると思う。あとは、JAZZの流れ。誰がソロをとっていくか、、。あとは、この音楽が好きか嫌いか、、。
島の人はきっと、始めて見る聴く音楽にきっとヒントを得てくれるんじゃないかな、と思ったからmayumiと相談して一緒に連れて行きたいと思った。
だんだんとけあってリズムに身体を動かす人や笑いもうまれてくる。後ろで見ていて、東京でいつも一緒にやっている「ね。」が奄美で演奏していることが不思議で、でも嬉しくて感慨にふけっていた。約1時間のライブが終了!
そして、平田輝ソロプロジェクトへ。
居酒屋であった同級生に、「あきら!『ラッシュアワーの中へ』やるよな?」と言われて、ドキッとした(笑)僕の大学時代の出世作でもあり、奄美でもこのレコードがかかりまくっていた。やっぱりこの曲ははずせないんだなあ。だから、先にでていって、まず1曲目。リクエスト通り、ギター1本で。「ラッシュアワーの中へ」を。
そして、メンバーを一人づつ呼び寄せ古澤さんのドラムソロから「天使の詩」、スカビートで新曲「TIME STONEを探せ!」(この曲は歌詞が面白いと思うんだな。)でスタート。
昨年まで平田輝バンドは、ある意味でやりつくしてしまったと思っていて、次にやりたいバンドのイメージが3つあった。そのうちのひとつがこのバンドで、リズム重視でSAXをフューチャーしたバンドだった。簡単に言えば、僕の敬愛するStingを意識した音作りなんだけどね(苦笑)ただ、ぼくなりの挑戦は、キーボードがいないことにもあったが、ギターの小倉さんが入ることで、やはりその心配は無用だった。
そして、バンドで10年ぶりに挑戦する「ラストダンス〜月夜のしずく〜」はゆったりと。そして、定番化しつつある小倉さんのアコギの音色が絶品のボサノバ(古澤さん曰くボサノバでありながらボサノバのようには叩きたくない(笑)「Matczhen(メッヘン)」と、人気急上昇の「あぁ神様」で、アコースティックサウンドが唄っていて気持ちよかったが、またお決まりの歌詞間違いもでて情けないけどライブならではのいい感じ(苦笑)で、盛り上がりはこれも定番化しつつある「CURE」に「午前0時のレジスタンス」
ラストは、この曲をやらないと、ライブが終われない(笑)ゆったりとSAXソロから始まる「今夜、ビートルズが街をうめつくして」じっくりと聴いてくれるひとりひとりのお客さんに唄っていてとても泣きたくなるぐらい(泣いたけど(苦笑))に嬉しかった。音楽を続けていて良かった。
アンコールは、ステージから降りる間もなく、、、「ね。」のメンバーも呼び込み一人づつ紹介した。アンコール1曲めは、みんなで一緒に歌いたかったので「愛は七つの海を越えて」で大合唱。実はこの曲、この日はじめてみんなであわせたけどバッチリだったと思う。「ね。」の曲で僕やmayumiのお気に入り「ぐるぐる」でセッション大会。
そして、俊礼くんにSAXを持ってきてもらっていたので一緒に参加してもらい、昨日、盛り上がったバナナマフィンに入ってもらい準備している間に「心でつながっていよう」をギター1本で。
そして準備を整え「ネリヤ★カナヤ」で大合唱&セッション!これで終了と思ったら、アンコールが鳴り止まず!最高の盛り上がりに、全員による「ROCK調」で、会場は踊りだし、せまいステージも興奮の渦!古澤さんがわけわからずわめきちらし、バナナマフィンの通訳も笑った(笑)約2時間30分の初体験怒涛のライブが終了!うぉ〜、奄美最高!
打ち上げは、「お疲れ様〜、乾杯〜!」としたかったのに、何かとりとめない感じで始まって、みんなそれぞれに話が盛りがってる感じ。ま、いいか、って思ってたら、義理の兄貴(黒糖焼酎「加那」の社長)がハーモニカを吹き出し、ギターの小倉さんが参加しそれがういつしかセッションを生み出す。古澤さんもご機嫌。ぼくもご機嫌。mayumiは?楽屋で経理をやってました。悪いと思いつつも、僕がいると、邪魔になることが多いので(笑)そのまま打ち上げに参加。
その時、古澤さんがボクに告げた。「あきら、このバンド、思ったより面白かったよ。「Matczhen(メッヘン)」とかいい曲だよなあ。でも、まだオレは納得してないんだよ。東京帰って、完成版作ろうよ。小倉さんとオレに曲を預けてくれれば、もっと歌詞がはっきりでる音楽にできると思うから、まかせてくれよ」。シンガーソングライター冥利に尽きる嬉しいお言葉!東京で本当にもう一度できるのか、酒の席だから、はっきりはわからないけど、東京でも年内にぜひお披露目したいもんだ。
ってな話もありつつ、奄美の名ブルースマン、榊義弘兄も唄ってくれたし、あちらこちらで名演奏が聴かれて楽しかった。夜が更けてひとりひとりとポツポツと去っていき、古澤御大も眠い!と帰っていき、ほとんど身内だけが残ったところに、奄美が誇るSAXマン、ブンキ兄が登場。
「え?みんな帰ったの?」というがSAXの汎くん、ベースの早川くん、ギターだけどドラムの小倉さんとセッション大会が始まり始まり。mayumiもコンガで参加。となりでうちの兄貴(ドラマーでもある)が、ドラムを指差し、「あれ、ギターだろ?ギターだろ?なんでドラムたたいとるの?うまいじゃん!」と嘆き叫ぶのをみて僕は笑うばかり(笑)
そのうち、うちの兄貴は隣でテーブルにうつぶせに寝ていたのだけど、立ち上がったかと思いきや、地べたにどさっと落ちたのも気付かぬまま寝てしまった、格好わりいぞ、兄!(笑)しかし、このサックスバトルが凄かった!時間あまりこのふたりの演奏が続けられ、これは滅多にみられない名演奏だったと僕は思った。(が、朝起きてきいてみたが、汎くん、何も覚えていず(笑))
ほとんどが帰った後、ASIVIの憲吾やバナナマフィン、と今後の奄美についていろいろ話ができた。それぞれが頑張ることがすべてにつながる、というのがいつもの結論なのだけど、再確認みたいな気持ちだったから、ほっとしつつもあり、また頑張ろうと思った。ホテルに帰り着いたのは4時(笑)
ま、そんなこんなで、「一期一会ライブ」がすべて終了。ASIVI憲吾をはじめスタッフのみなさん、出演いただいたみなさん、協力してくれた奄美のみなさん、きてくださったお客さん、すべてのおかげで2002年の奄美ライブツアー大盛況に終了。また来年、新たな「ほこら舎」企画たてたいと思います。本当にありがとうございました。
で、最終日3日目は、ツアーメンバーとみんなで、お遊びタイムへ続きます。
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